貧血のメカニズム
貧血とは、血液中を流れる血球成分の一つである赤血球が減少する、あるいは赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)が低下することにより生じます。
ヘモグロビンは酸素と結合して全身をまわり、酸素を全身へと供給しています。さらに、ヘモグロビンは4つのタンパク質から構成され、鉄を含みます。
したがって、Hbの材料はたんぱく質と鉄です。特に鉄は吸収率が悪いうえに食事に多く含まれておらず、摂取することも難しいのです。
赤血球はHbを含み、Hbは鉄を含みます。それは、鉄の欠乏によりHbが不足し、赤血球の不足につながります。
赤血球はHbの働きで酸素の運搬に関わりますので、
脳の酸素不足 | ・立ちくらみ ・めまい |
筋肉の酸素不足 | ・トレーニング中に酸素が行き渡らず、乳酸が生じる ・有酸素運動能力の低下 ・倦怠感 |
貧血になると表のような症状が生じます。
アスリートにとってこのような症状が生じると、練習や試合の質が下がります。
スポーツ貧血
それでは、スポーツ貧血について詳しく見ていきましょう。
スポーツ貧血とは、スポーツが原因で起こる貧血のことです。
また、スポーツ貧血とひとくくりにしてもさまざまな要因が隠れています。
特に❶鉄欠乏性貧血と❷溶血性貧血が主な要因です。
2つの違いについては後ほど説明します。
そしてスポーツ貧血になりやすい方もいます。そのような方は、今貧血でなくても今後貧血になるかもしれない、あるいは今すでに軽い貧血の可能性があるといことを認識してください。
スポーツ貧血になりやすいアスリート
スポーツ貧血になりやすい人は以下のような人です。
持久的スポーツ選手 : 発汗や溶血など鉄の喪失量が多い
ジュニアアスリート : 身体の成長にともない、鉄の需要量が増すため
女性アスリート : 月経による影響
レバーや赤みの肉と魚、葉物野菜を料理に取り入れるなど、鉄を意識した食事が重要になりますね!
スポーツ貧血(運動性貧血)の種類
それでは、スポーツ貧血の種類について見ていきましょう!
スポーツ貧血の主な要因は、❶鉄欠乏性貧血と❷溶血性貧血です。
❶鉄欠乏性貧血
その名の通り、体内で赤血球の中に含まれるヘモグロビンの合成に不可欠な鉄が欠乏し起こる貧血です。
ヘモグロビンと鉄が不足することにより酸素の運搬能力が低下し、全身に十分な酸素が供給されなくなることにより生じます。
鉄欠乏性貧血に関しては材料が不足しているために赤血球が小さくなる小球性貧血という種類に分類されます。
❷溶血性貧血
足裏から衝撃を受け続けることで赤血球が壊れやすくなるために起こる貧血のことです。
新たにつくられる赤血球が、破壊される赤血球よりも上回ってしまうことにより血液中の赤血球が少なくなり貧血になります。
作られる赤血球 < 壊される赤血球
いずれも、鉄・Hb・赤血球の不足が原因です。
そのため、まずは食事からの摂取と吸収が難しいことから鉄を摂る食事を心がけましょう。
次に、材料のほとんどを占めているたんぱく質源となる肉・魚・卵・大豆製品なども意識して摂取してみてください!
最後に
貧血は、アスリートにとってパフォーマンスへ大きな影響を及ぼします。トレーニング中に、いつも難なくこなせていたレベルのことが急にきつく感じるようになったり、めまいが生じるのであれば貧血を疑うべきでしょう。
貧血は改善できます。しかしまた、予防もできます。
見えない未来を想像し対策することは、非常に難しいことです。しかし、アスリートにとって必要な努力と言えます。
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